日本職業リハビリテーション学会 第46回 北海道大会

開催プログラム

«開催スケジュール»

大会1日目8月24日(金)会場:北星学園大学

9:30~10:00 研修基礎講座受付
10:00~12:00

研修基礎講座

講座A「精神障害者の雇用について」

相澤 欽一(障害者職業総合センター )

講座B 「障害者雇用にまつわるハラスメント・虐待について」

志賀 利一(社会福祉法人 横浜やまびこの里)

12:00~13:00 大会受付・昼食
13:00~13:10

開会式

13:10~14:10

基調講演

「障がい者雇用・就労の差別解消に向けて   ~これまでの10年、これからの10年」

上野 武治(北海道大会 大会長 社会福祉法人さっぽろひかり福祉会 北海道大学名誉教授)

14:30~16:00

①ポスター掲載

研究・実践発表(口頭発表)

自主ワークショップ

大会主催①~③、自主1、2

研究・実践発表 分科会1 知的障害

「知的障害者の働く意欲を高めるための生活支援」

【登壇者】

  • 川上 輝昭 (名古屋女子大学)

【登壇者】

  • 滝川 裕美 

【登壇者】

  • 山下 千浪 (社会福祉法人渓明会)

【登壇者】

  • 遠藤 芳浩 (NPO法人コミュネット楽創 就業・生活相談室からびな)

【登壇者】

  • 北上 守俊 (新潟リハビリテーション大学)

【登壇者】

  • 大石 甲 (独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構  障害者職業総合センター)

【登壇者】

  • 富田 文子 (立教大学)

【登壇者】

  • 塩澤 まどか (NPO法人コミュネット楽創)

研究・実践発表 分科会3 定着支援①

「就労者支援のケースから今後の定着支援を考える」

【登壇者】

  • 船本 修平 (NPO法人コミュネット楽創)

【登壇者】

  • 實盛 朱里 (NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワーク  JSN新大阪アネックス)

【登壇者】

  • 福島 美和子 (NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワークJSN)

【登壇者】

  • 小畑 友希 (社会福祉法人さっぽろひかり福祉会)

【登壇者】

  • 前原 和明 (障害者職業総合センター)
  • 平野 郁子 (北海道障害者職業センター/北海道大学大学院教育学院)
  • 縄岡 好晴 (千葉県発達障害者支援センター)
  • 古野 素子 (東京障害者職業センター)
  • 海老田 大五朗 (新潟青陵大学)

【登壇者】

  • 榎本 容子 (国立特別支援教育総合研究所)
  • 知名 青子 (障害者職業総合センター研究部門)
  • 清野 絵 (国立障害者リハビリテーションセンター研究所)
  • 安藤 美恵 (国家資格キャリアコンサルタント(元大学職員))
  • 宮澤 史穂 (障害者職業総合センター研究部門)
16:15~17:45(一部18:05終了)

②ポスター掲載

研究・実践発表(口頭発表)

自主ワークショップ

大会主催④~⑤、自主4~6

研究・実践発表 分科会4 定着支援②・人材育成

「就労移行入所前の福祉サービス利用が継続就労に及ぼす影響 について」

【登壇者】

  • 城 美早 (NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワーク)

【登壇者】

  • 久保川 良子 (NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワークJSN新大阪)

【登壇者】

  • 池田 浩之 (兵庫教育大学大学院)

【登壇者】

  • 大川 浩子 (北海道文教大学)

研究・実践発表 分科会4 定着支援②・人材育成

「就労移行支援従事者の人材育成について」

【登壇者】

  • 中嶌 幸 (NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワークJSN研究所)

【登壇者】

  • 繁田 雅斗 (福岡リハビリテーション病院)

【登壇者】

  • 平原 由梨子 (医療法人銀門会甲州リハビリテーション病院 地域包括ケア推進部)

【登壇者】

  • 峯尾 舞 (医療法人社団KNI 北原国際病院 リハビリテーション科  就労支援室)

【登壇者】

  • 加藤 朗 (名古屋市総合リハビリテーションセンター就労支援課)

【登壇者】

  • 小圷 仁美 (社会福祉法人博友会 フロイデ工房しろさと)

【登壇者】

  • 相澤 欽一 (障害者職業総合センター)

【登壇者】

  • 藤井 明日香 (高松大学)
  • 川崎 壽洋 (特定非営利法人 ぶうしすてむ)
  • 堀込 真理子 (社会福祉法人 東京コロニー)
  • 佐藤 美貴 (特定非営利活動法人 札幌チャレンジド)
  • 六車 浩 (かがわ総合リハビリテーションセンター)
  • 津田 貴 (株式会社沖ワークウェル)

【登壇者】

  • 重泉 敏聖 (就業・生活応援プラザ とねっと)
  • 池田 望 (札幌医科大学)
  • 調整中
  • 調整中
18:15~20:00

懇親会

大会2日目8月25日()会場:北星学園大学

9:00~11:00 2日目受付
9:15~10:15 会員総会
10:30~12:00

③ポスター発表

(発表者在席責任時間)

研究・実践発表(口頭発表)

政策委員会WS

自主ワークショップ

政策委員会主催、大会主催⑥、⑦、自主6、7

【司会】

  • 倉知 延章 (九州産業大学 人間科学部臨床心理学科教授)

【登壇者】

  • 福岡 新司 (一般社団法人SOWET理事長)
  • 小川 浩 (大妻女子大学人間関係学部人間福祉学科 教授)
  • 眞保 智子 (法政大学現代福祉学部 福祉コミュニティ学科 教授)

【登壇者】

  • 飯塚 菜緒 (就労移行支援事業所ワークアシスト)

【登壇者】

  • 勝田 範子 (NPO大阪精神障害者就労支援ネットワーク JSN研究所)

【登壇者】

  • 藤川 千鶴 (株式会社スタートライン)

研究・実践発表 分科会6 発達障害

「就労移行支援事業によるIPSモデルの実践報告」

【登壇者】

  • 岩田 保恵 (就労移行支援事業所ワークス・アントレ)

研究・実践発表 分科会7 農福連携(11:30終了)

「地域農業と共存共栄する福祉事業所の農作業を通した就労支援」

【登壇者】

  • 石田 憲治 ((国研)農研機構農村工学研究部門)

【登壇者】

  • 片山 千栄 ((国研)農研機構 農村工学研究部門)

【登壇者】

  • 木下 一雄 (名寄市立大学 保健福祉学部 社会福祉学科)

【登壇者】

  • 前原 和明 (障害者職業総合センター)

【登壇者】

  • 知名 青子 

【登壇者】

  • 武澤 友広 (障害者職業総合センター)

【登壇者】

  • 清野 絵 

【登壇者】

  • 千田 若菜 

【登壇者】

  • 後藤 由紀子 

【登壇者】

  • 金弦 敬子 (学校法人仁多学園 島根リハビリテーション学院)

【登壇者】

  • 中村 俊彦 (常葉大学保健医療学部作業療法学科)

【登壇者】

  • 若林 功 (東京通信大学)

【登壇者】

  • 宮澤  史穂 (障害者職業総合センター)

【登壇者】

  • 滝島 真優 (目白大学)

【登壇者】

  • 本多 俊紀 (NPO法人コミュネット楽創)
  • 藤原 由貴 (がん・メンタルヘルスリワークセンター リブラフ)
  • 大浜 伸昭 (さっぽろ駅前クリニック)
  • 相内 雄介 (フリーランス)

【登壇者】

  • 重泉 敏聖 (就業・生活応援プラザ とねっと)
  • 高谷 さふみ (くしろ・ねむろ就業・生活支援センター ぷれん)
  • 金子 宣裕 (小樽後志地域障がい者就業・生活支援センターひろば)
  • 調整中
12:00~13:00

昼食

13:00~15:00

基調シンポジウム

「障がい者雇用・就労の差別解消に向けて   ~これまでの10年、これからの10年」

【司会】

  • 上野 武治 (社会福祉法人さっぽろひかり福祉会 北海道大学名誉教授)
  • 八田 達夫(日本医療大学 北海道大学名誉教授)
  1. 職業リハビリテーションの国際基準をめぐる国内外の動向

    ・松井 亮輔 先生 (国際リハビリテーション協会(RI)国内事務局長、  法政大学名誉教授)

  2. わが国における保護雇用の創設と就労継続支援A型事業所

    ・上野 武治  (社会福祉法人さっぽろひかり福祉会理事長、  北海道大学名誉教授)

  3. デイ―セントワークの実現―働く障害者のためにー

    ・朝日 雅也 先生 (日本職業リハビリテーション学会会長、埼玉県立大学教授)

  4. 障害当事者の立場から望むこと

    ・西村 正樹氏 (認定NPO法人DPI日本会議副議長、  社会福祉法人アンビシャス業務執行理事・総合施設長)

指定討論(10分)

・西村 正樹 氏 (DPI日本会議副議長、社会福祉法人アンビシャス総合施設長)

15:00~15:30

閉会式・授賞式

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«研修基礎講座のご案内»

大会初日(8月24日)の午前に、学会研修委員会の主催で研修基礎講座が開催されます。公開講座となっておりますので、学会員以外の方も受講することができます。

当日参加も可能ですので、ぜひ周知してください。

<講座A>

テーマ
「精神障害者の雇用について」
相澤 欽一(障害者職業総合センター)

今年度から精神保健福祉手帳所持者が雇用義務の対象となり、法定雇用率が2.0%から2.2%に上がった。このような支援制度の充実に伴い、精神障害者の就職件数は右肩上がりで上昇しているが、離職率の高さは依然大きな課題となっている。

本講座では、精神障害のある人が安定した職業生活を継続するためにどのような取組が望まれるのか、①企業に望まれる雇用管理、②就労支援と精神科医療の連携、③アセスメントとプランニングの重要性、④本人が自身の状況を見える化し関係者と情報共有することで望ましい「セルフケア」「ラインケア」「支援機関の支援」につなげる方法、等の視点から話を進めたい。

<講座B>

テーマ
「障害者雇用にまつわるハラスメント・虐待について」
志賀 利一(社会福祉法人 横浜やまびこの里)

雇用の場における労働関係のトラブルや困りごとについては、労働相談や個別労働紛争解決の仕組みがあります。相談のフォーマルな窓口は、労働局や都道府県の公的な労働相談窓口があり、法テラスや社会保険労務士会等の民間団体があり、さらに裁判所においても民事調停や労働審判等として取り扱います。もちろん、トラブルや困りごとの多くは、フォーマルな窓口ではなく、職場内の同僚や上司、場合によっては労働組合、さらに家族や友人といったインフォーマルな人に最初に相談するのではないでしょうか。ハラスメントであれば、最近、企業等において社内あるいは社外に相談窓口を設置している場合が多く(平成28年調査で73.4%)、ハラスメン ト対策に ある程度の効果があるようです。

一方、障害者については、障害を理由とした差別と合理的配慮の不提供が2014年より法律で禁止されており、企業等の自主的な解決ならびに都道府県に紛争解決の仕組みづくりが求められています。また、2012年に施行された障害者虐待防止法においても、心理的虐待を含め、市町村への通報による早急な解決が図られる仕組みになっています。

働く障害者の権利利益を保護し、様々な紛争の解決を図る仕組みは現在複数存在しており、それぞれの特徴を整理することは大切です。また、就労支援従事者としては、紛争解決時だけでなく、このような仕組みの知識を持つことで、企業等と協力し、障害者が自らの力を最大限発揮できる職場環境を作っていく、ひとつのきっかけにすることができます。

<講座C>

テーマ
「実践研究の始め方-初めて研究に取り組む方へ (現場の取り組みをどの様に研究につなげるか)」
小川 浩(大妻女子大学)

この基礎講座の対象は、就労支援の実践に携わっている方で、まだ実践を研究にまとめた経験の無い方、又は経験の浅い方を想定しています。研修会などで実践を発表する機会はあっても、学会で発表というと敷居の高さを感じる人が少なくないと思います。私もその1人です。敷居の高さとは何なのか、一緒に確認をして、乗り越え方を考えていきましょう。

現場で研究をする時の壁、研究論文にまとめる時の基本ルール、ポイントの明確化、問題意識と研究方法のマッチング、発表から次への展開、などについて取り上げたいと思います。説明もしますが、出来れば一方通行ではなく、意見交換しながら進められればと思います。高度な研究方法について説明することはできませんので、そのつもりでご参加下さい。

«大会企画内容のご案内»

.基調講演

テーマ
「障がい者雇用・就労の差別解消に向けて   ~これまでの10年、これからの10年」
上野 武治(北海道大会 大会長 社会福祉法人さっぽろひかり福祉会  北海道大学名誉教授)

.基調シンポジウム

テーマ
「障がい者雇用・就労の差別解消に向けて   ~これまでの10年、これからの10年」
司会
  • 上野 武治(社会福祉法人さっぽろひかり福祉会  北海道大学名誉教授)
  • 八田 達夫(日本医療大学 北海道大学名誉教授)
  1. 職業リハビリテーションの国際基準をめぐる国内外の動向

    ・松井 亮輔 先生 (国際リハビリテーション協会(RI)国内事務局長、  法政大学名誉教授)

  2. わが国における保護雇用の創設と就労継続支援A型事業所

    ・上野 武治  (社会福祉法人さっぽろひかり福祉会理事長、  北海道大学名誉教授)

  3. デイ―セントワークの実現―働く障害者のためにー

    ・朝日 雅也 先生 (日本職業リハビリテーション学会会長、埼玉県立大学教授)

  4. 障害当事者の立場から望むこと

    ・西村 正樹氏 (認定NPO法人DPI日本会議副議長、  社会福祉法人アンビシャス業務執行理事・総合施設長)

指定討論(10分)

・西村 正樹 氏 (DPI日本会議副議長、  社会福祉法人アンビシャス総合施設長)

. ワークショップ

8/24(金)ワークショップ①14:30~16:00

研究・実践発表(分科会1 知的障害)

テーマ
「知的障害者の働く意欲を高めるための生活支援」
登壇者
  • 川上 輝昭 (名古屋女子大学)

知的障害者が就労の機会を得ても途中で離職することが多い。その理由は様々であるが精神的不安定もその理由の一つである。就労継続のためには生活の場において精神的に安定できる支援が不可欠である。様々な負担や不安を感じている知的障害者に寄り添い、就労意欲を高める実践を試みた。その結果として離職を事前に防ぐこともできたが、支援者に求められる課題も浮き彫りになった。知的障害者が働く上で必要な生活支援の課題に触れてみたい。

テーマ
「知的障害者の身辺自立に対する家族の意識と取り組み に関する研究」
登壇者
  • 滝川 裕美

知的障害者が生涯にわたって自立し社会参加していくためには、身辺自立をし安定した就労の場での役割を持つことが大切である。知的障害者の身辺自立のために家族はどのような取り組みをしているのか、特別支援学校で行われているキャリア教育の「職業観」「勤労感」を育む学習プログラムの枠組みのキャリアプランニング マトリックス(試案)を子育ての中での工夫に当てはめた。

「意思決定能力」に対して、家族は取り組みが難しいと感じていた。家族の知的障害者に対する身辺自立の積極的な取り組みから、教育機関や企業と共有することは「将来設計」の一助になると考える。

テーマ
「生活上の課題に起因する就労継続困難要因の分析枠組み の検証 -軽度知的障害者の事例からの検討ー」
登壇者
  • 山下 千浪 (社会福祉法人渓明会)

 障害者の就労定着を進める上で、生活支援は欠かせない。複雑多岐にわたる生活課題を持つ場合には一層支援が困難になる。筆者も関わった厚生労働科学研究の「生活支援による就労の定着の在り方にかかる研究」(2015年度~2017年度)では、生活上の課題により離職に至った困難事例について、就労定着上の課題の「特定」と、改善に向けた対策の方策についての枠組みを提示し分析を行った。この中の2事例について、筆者が「働く軽度知的障害者の生活支援の在り方に関する研究」(2016)において構造化した生活支援の枠組みを用いて再分析し、生活上の課題に起因する就労継続困難要因の分析枠組みについて検証した。

テーマ
「職場定着における就業面と生活面が一体となった支援の 有効性について-札幌市障がい者就業・生活相談支援事業所の 事例より-」
登壇者
  • 遠藤 芳浩 (NPO法人コミュネット楽創 就業・生活相談室 からびな)

就業・生活相談室からびな(以下、からびな)は、職業生活における自立を図るため、就業面及び生活面における一体的な支援を行う札幌市の単独事業である。今回、20代の知的障害のあるA氏への定着支援において、就業面と生活面が一体となった支援を実施し、有効であったと思われたため報告する。

A氏は、X年Y月より衣料品店のバックヤードで勤務していた。しかし、本人が必要性を感じる時にしか連絡が取れない状況が続き、本人と接触できた時に端的に状況把握・説明及び対処すべき事柄について話し合う必要があった。相談窓口が一つだったため、職場訪問の際に生活面の状況把握をし、その場で上司と情報共有を行う等の動きを取ることが可能だった。

研究・実践発表(分科会2 研究・開発)

テーマ
「高次脳機能障害者におけるWork-ability Support  Scale(WSS)日本語版の開発」
登壇者
  • 北上 守俊 (新潟リハビリテーション大学)

近年、障害者の就労支援の実態に関する報告は散見しているが、アウトカムに関する研究は乏しい。その要因として、簡便かつ定量的に評価するツールが少ないこともエビデンスが蓄積しにくい一因であると示唆する。そこで本研究では、2013年に脳損傷者等への就労能力の評価尺度として国外で開発されたWork-ability Support Scale(以下、WSS)の日本語版を原著者Fadyl J(Auckland University of Technology)らの許可を得て開発した。翻訳作業は、翻訳業者によるバックトランスレーションを行なったものを原著者に送付し、内容の妥当性に関する確認を受け完成させた。その後、高次脳機能障害者を対象に完成したWSSを活用し、就労のカットオフ値や就労要因等を明らかにした。

テーマ
「障害者雇用の質的改善に向けた基礎的研究―様々な立場から 障害者の雇用の質について考える」
登壇者
  • 大石 甲 (独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構  障害者職業総合センター)

障害者雇用の質的改善に関わる様々な視点等について、先行研究の検討、専門家へのヒアリング、企業へのグループインタビューを通して整理・分類した。収集した計182の様々な立場の視点は、①社会からの期待への対応、②障害者雇用の位置づけと全社的な取組、③障害者のキャリア形成と能力の発揮、④障害理解に基づくきめ細かな対応、⑤働く価値や意味-賃金、自己実現等、⑥障害者雇用の波及効果、⑦その他の計7つに分類された。障害者を雇用する企業は、極めて多くのステークホルダーとの関わりの中で、その期待に応えて社会的責任を果たしつつ、事業を継続させ、成長させていく構造を、実践的な取組と併せて見てとることができた。

テーマ
「相談支援機関等における就労支援事業所選定ツールの開発に 関する研究 ―東京都大田区の「支援者向け就労支援施設 ガイドブック」の作成プロセスから考える―」
登壇者
  • 富田 文子 (立教大学)

大田区では相談支援機関等の支援者が、障害者に就労支援機関を案内する際、事業所の空き状況に依拠したミスマッチングな種類・事業所の選定になりがちのため、その後の利用継続に課題がある。そこで、就労支援機関の種類やそれぞれの特長について正確な理解を促す観点で、就労支援施設ガイドブックを作成した。そのプロセスにおいては、支援者が障害・生活の状況に応じた就労準備性に基づく適切な施設を、客観的に測定するための目安となる項目や、各事業の利用のタイミングをわかりやすく図式化したツールを活用することで、適切な利用に関するアセスメントを可能にしたと考える。今後は、ガイドブック利用による効果測定を行い、尺度化を図りたい。

テーマ
「就労支援実践者が用いているアセスメントの現状  -文献による検討から-」
登壇者
  • 塩澤 まどか (NPO法人コミュネット楽創)

我々は第42回大会で就労支援におけるアセスメントの現状に関する文献研究を報告した。しかし、文献の取り込み条件等の課題があり、改めて就労支援実践者が用いているアセスメントを検討した。

方法は,2017年11月2日に医中誌を用いて、「職業リハビリテーション」「就労支援」「アセスメント」「評価」のキーワードを組み合わせ、年代を指定せず検索した。更に、1)原著論文、2)次の3点が記載されている:事例、アセスメント、就労支援、という条件で絞り込んだ結果、最終的に30論文が残った。年代別では2006~2010年が12論文と最も多かった。また、掲載誌はリハビリテーション関係の雑誌が19論文と多くを占めていた。

研究・実践発表(分科会3 定着支援①)

テーマ
「就労者支援のケースから今後の定着支援を考える」
登壇者
  • 船本 修平 (NPO法人コミュネット楽創)

就労移行支援として利用者の就職後も職場訪問や面談等を行ってきた。働いていく中で本人や企業がどんなことを思い考えてきたのか職場訪問等をとおして語られてきたことや実際に起こったことを複数のケースから振り返り、今後の定着支援における支援者の役割り、社会的な意義を考える。

テーマ
「発達障害のある方の就労定着に影響を及ぼす態度について」
登壇者
  • 實盛 朱里 (NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワーク  JSN新大阪アネックス)

平成30年度の法定雇用率の上昇などから発達障害のある方の雇用・就労定着も関心が高まっている。本研究は発達障害を持つ方の就労定着に影響を及ぼす要素について調査を行った。対象者はいずれも1年以上職場に定着をしている発達障害のある方8名が所属している企業の場長並びに現場担当者8名(4社)に「職業態度チェックリスト」(菅野ら2015)を実施し、項目についてのインタビューを行った。

その結果、知的障害の方を対象とした先行研究(小笠原ら2016)で示されたように、安定した職場定着には上位階層から下位階層へのなだらかな右下がりの数値になることが認められた。発達障害のある方の職場定着の支援における示唆が得られたと思われる。

テーマ
「精神障害のある方とともに働くことで職場満足度に与える 影響」
登壇者
  • 福島 美和子 (NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワーク JSN)

平成30年4月1日から障害者雇用率が2.0%から2.2%に引き上げになったが、精神障害のある方の雇用には企業から消極的な声を聞くことが多い。しかし障害者雇用には二次的効果があるとも言われている。精神障がいのある方と働くことで、社内雰囲気の変化、社内システムの改善につながったという事例を耳にすることもある。そのため精神障害のある方と働くことが従業員の職場満足度に与える影響について明らかにすることを目的とした。障害者雇用をしている企業7社で、実際に精神障害のある方と働く現場従業員の方へアンケートとインタビューを行った。結果、精神障害のある方の雇用には副次的な効果があり、また経営的効果にも良い影響を与えることが見られた。

テーマ
「精神・発達障害のある人たちのA型事業所における労働の有効性 ~障害のある人もない人もともに働くひかり工房の 実践より~」
登壇者
  • 小畑 友希 (社会福祉法人さっぽろひかり福祉会)

精神・発達障害者の職場定着が課題となっているが、ひかり工房ではかつて利用者であった精神障害者および発達障害者6名を職員雇用している。また、多機能型・就労継続支援A型事業を行っているが、複数体制やキャリアアップをはじとする特性を整理しみえてきたことが、精神・発達障害者の一般企業における職場定着にもつながることを提案していきたい。

自主ワークショップ1

テーマ
「発達障害者の就労支援の工夫と楽しみ~実践のデザイン~」
登壇者
  • 前原 和明 (障害者職業総合センター)
  • 平野 郁子 (北海道障害者職業センター/ 北海道大学大学院教育学院)
  • 縄岡 好晴 (千葉県発達障害者支援センター)
  • 古野 素子 (東京障害者職業センター)
  • 海老田 大五朗 (新潟青陵大学)

本ワークショップは、職業リハビリテーションに携わる個々の支援者の発達障害者の就労支援における工夫と楽しさ共有するものである。「深遠・壮大・緻密で独創性のある論述」を展開するのではなく、「軽さ、身近なところ、気安さ、自由でのんきなところ、楽しさ」を持ち味に議論を建設的に進行していきたい。

将来的には研究課題として、新たな実践的方法論や認識のあり方を構築していくことが望まれるが、発達障害者に対する支援実践における工夫や気づきという実践知の共有に焦点を置き、将来に向けた試みとした。本ワークショップを通して参加者と発達障害者の就労支援の工夫や楽しみが共有できれば幸いである。

自主ワークショップ2

テーマ
「発達障害のある学生の円滑な就労移行に向けた 『大学と職業リハビリテーション機関との連携』の在り方」
登壇者
  • 榎本 容子 (国立特別支援教育総合研究所)
  • 知名 青子 (障害者職業総合センター研究部門)
  • 清野 絵 (国立障害者リハビリテーションセンター研究所)
  • 安藤 美恵 (国家資格キャリアコンサルタント(元大学職員))
  • 宮澤 史穂 (障害者職業総合センター研究部門)

本ワークショップは、発達障害のある(疑いを含む)学生のキャリア支援・就職支援に取り組む大学の支援者を、職リハ従事者がどのように支えることができるか、その方策をフロアとの協議により探ることをねらいとする。このために、まず、発達障害のある学生の①卒業後の状況(調査報告)、②就職活動時の状況(調査報告、実践報告)について、フロアに話題提供する。

次に、①②の背景の中、大学の支援者が発達障害のある学生支援に当たり直面する主要な課題への助言内容(案)をフロアに検討していただく(所定のシートに記入)。最後に、その内容を、就職活動から職場定着に至る時系列に沿って、全体で共有していくことで、大学支援の糸口を探る。

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8/24(金)ワークショップ②16:15~18:05

研究・実践発表(分科会4 定着支援②・人材育成)

テーマ
「就労移行入所前の福祉サービス利用が継続就労に及ぼす影響 について」
登壇者
  • 城 美早 (NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワーク)

本研究は、精神障害者の職場定着が課題として以前から取り上げられることが増えている中、就労移行支援事業所に入所する以前の経歴に焦点を充てて、経歴がどのように職場定着に影響を与えているかを明らかにすることを目的に行った。①医療機関のデイケアを経て、入所した後に就職した人②就労継続支援B型(以下、B型)の利用を経て、入所した後に就職した人③未経由で入所した人、に分類し入所前の経歴が就労移行支援事業所の訓練内容や就職後の職場定着日数にどう違いが発生するかの検討を行った。26名のB型利用者経験者との比較した結果、継続就労日数において差が見受けられた。

テーマ
「引き継ぎシートから就労継続の要因を探る ~本人の夢や目標に着目して~」
登壇者
  • 久保川 良子 (NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワーク JSN新大阪)

NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワーク(以下、JSN)では、各就労移行支援冶要所でトレーニングを行い、就職するとジョブコーチに引き継ぎ定着支援を行う流れになっている。ジョブコーチへの引継ぎを行う際に、引継ぎシートを作成し引継ぎ面談を実施する。本研究では、JSNを利用して就職した46名分のシートから「不調時のサイン」「しんどくなった時の対処法」「将来の夢や目標」などの記入内容を抽出し、就労が継続している群と継続していない群に分け、分析を行った。就労が継続している群と継続していない群では、将来の夢や目標を具体的に記入しているかの部分で差が見られた。また、分析から見えてきた就労継続の要因についてもまとめている。

テーマ
「就労移行・定着支援で用いるセルフモニタリング項目の内容の 検討~企業実習日数、就労継続日数との関連から~」
登壇者
  • 池田 浩之 (兵庫教育大学大学院)

就労定着支援サービスの創設(2018)により、職場への定着支援の関心はより一層高まっている。そういった社会背景から、定着支援のためのツールが開発されるようになっている(川崎市,2015;久保川他,2015;池田他,2016)。その中では、精神障害・発達障害のある者の状態を可視化するための項目設定がポイントとなっている。本研究ではセルフモニタリングを導入する際にどのような項目が有効であるか、設定項目と支援中の企業実習日数や就労継続日数との関連・予測性からその有効性を検討した。職場定着が1000日以上行えている精神障害・発達障害のある者56名のセルフモニタリング項目の解析を行った。その結果、診断毎の項目設定の有効性が示唆された。

テーマ
「就労支援機関における就労支援従事者のストレス -職業性ストレス簡易調査票を用いて-」
登壇者
  • 大川 浩子 (北海道文教大学)

 メンタル不調者のいる割合が高い産業のひとつに医療・福祉があげられている。しかし、就労支援従事者のストレスに関する報告は少ない。今回、我々は就労支援機関の就労支援従事者に対し職業性ストレス簡易調査票を用いた調査を行った。

 回答者360名中、高ストレス者と判断された者は53名(14.7%)であった。また、高ストレス者は現職の就業継続について「できるだけ継続したい」が28名(52.8%)と最も多く、ワーク・エンゲイジメントは低いレベルの者が33名(62.3%)と多かった。これらの結果から、就労支援従事者のストレスについて検討する際には、ワーク・エンゲイジメントについても注目する必要があると思われた。

テーマ
「就労移行支援従事者の人材育成について」
登壇者
  • 中嶌 幸 (NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワーク JSN研究所)

本研究は、就労支援の現場でも課題と言われるようになった、支援格差について解消の一助となるように、入職1年目と4~5年目の「面談」に着目しその違いを明らかにすることを目的に行った。中嶌・池田(2016)の継続研究として行った。

調査対象は1つの就労移行支援施設に所属している支援員4名で、測定材料・手続き・結果は以下の通りだった。

各支援員が入職1~2年目と4~5年目の1年間に面談対応に割いた時間を支援記録システムより抽出し、時間数の比較を行った。時間に関して有意な差が見られた他、面談の内容にも差が見られた。支援者が入職した際の育成方針について、示唆が得られたと思われる。

研究・実践発表(分科会5 高次脳機能障害)

テーマ
「当院における就労・復職支援への取り組み  ~患者動向調査とアンケート調査を得て~」
登壇者
  • 繁田 雅斗 (福岡リハビリテーション病院)

平成29年4月~10月まで当院に入院されていた病前に就労していた患者様を対象に退院後の追跡調査を実施し、復職状況を確認した。

その結果、高次脳機能障害者の復職の割合が低いことが分かった。また院内での就労・復職支援マニュアルを作成し、その後当院のリハビリスタッフに就労・復職支援に対するアンケート調査を実施した。その結果を得て、新たに患者様とリハビリスタッフが就労・復職に向けて協業可能なパンフレットを作成検討した。

今回は、退院後の患者様の追跡調査とリハビリスタッフへのアンケート調査をもとに検討した当院の就労・復職支援チームの取り組みを紹介させて頂く。

テーマ
「民間リハビリテーション病院における就労支援促進活動 『Good Job !チーム』の現状と課題」
登壇者
  • 平原 由梨子 (医療法人銀門会甲州リハビリテーション病院 地域包括ケア推進部)

 当院リハ部のリハ専門職向け就労支援促進チーム活動の現状と課題を整理し、今後の活動のあり方を考察する。

 現状は①平成26~29年度の15~65歳患者は当院全体の約2割でその約57%が休職中。本チーム相談件数は休職者全体の2割。②平成29年度の15~65歳患者は当院全体の約18.2%でその約51.7%が休職中。脳損傷の休職者は36名で休職者全体の47.3%。シニア世代の休職者は同世代全体の38.4%で、うち脳血管疾患の休職者は4名。

 リハ専門職には患者のライフステージやニーズを捉え職業リハと連携した支援が求めらるが、当院の現環境では支援経験を蓄積し難い。課題解決には、院内に患者の実態把握や復職後の追跡調査、多職種協働の促進を行う就労支援担当の職員配置や組織化が必要と考える。

テーマ
「高次脳機能障害者に対する合理的配慮についての一考察  ~高次脳機能障害者の困り事を中心に~」
登壇者
  • 峯尾 舞 (医療法人社団KNI 北原国際病院  リハビリテーション科 就労支援室)

高次脳機能障害は「見えない障害」、「隠れた障害」と言われ、「注意障害」や「記憶障害」等の複数の障害から構成される複雑さからも、就労支援・就労継続支援に難しさを感じている支援者や企業担当者は少なくない。また、他障害と比較し、高次脳機能障害者は人口が少なく支援の歴史も浅いため、現場における支援実践例が十分に蓄積されず、合理的配慮の具体例を把握する機会に乏しいのではないだろうか。

そこで今回は、複数名の当事者について、困り事と共に、障害像、医療機関における評価結果、職場へ伝えた配慮事項、企業における実際の配慮等を整理し、どのような合理的配慮が求められるのか報告する。

テーマ
「失語症のある人の就労支援のための専門職連携のあり方に 関する一考察」
登壇者
  • 加藤 朗 (名古屋市総合リハビリテーションセンター就労支援課)

言語聴覚士は、コミュニケーション障害を有する患者のリハビリテーションを日常的に担当しているが、就労支援の専門性は持ち合わせていない。一方、就労支援担当者は、職業的障害を抱える人の就労支援を日常的に担当しているが、失語症の専門的な知見に精通しているわけではない。失語症のある人の適切な就労支援を提供する為には、個々の専門職が、それぞれの専門性を活かして連携すること、多職種連携による継続的なチーム支援が効果的であることは、論を待たない。当センターの実践から、言語聴覚士と就労支援担当者他の連携の現状と課題について整理をし、よりよい連携のあり方について考察する。

テーマ
「記憶障害を呈した40歳代女性に対し、就労移行支援事業所に おいて実施した復職支援」
登壇者
  • 小圷 仁美 (社会福祉法人博友会 フロイデ工房しろさと)

当施設は就労移行支援、就労継続支援B型を運営しており、開設10年目を迎える。作業内容は、法人内の介護施設で使用するタオルのクリーニング、菓子製造、外部実習の斡旋など、多岐に渡る。その他、高次脳機能障害者を対象としたグループワークも実施している。今回、辺縁系脳炎により記憶障害を中心とする高次脳機能障害を呈した40代の女性(Aさん)を担当する機会を得た。Aさんは、医療機関に入院中もメモ帳や手帳を利用した代償手段の獲得を目指していたが、充分な活用に至らないまま前職への復職の時期を迎えることになった。Aさんが利用を開始してから復職に至るまでの1年半の支援経過について、考察を加え報告する。

自主ワークショップ3

テーマ
「精神障害のある従業員と企業等が情報を共有し 職場定着を図るためのツール」
登壇者
  • 相澤 欽一 (障害者職業総合センター)

精神障害者の職場定着が課題となっている。この課題を改善する試みの一つとして、精神障害のある本人が自身の体調や仕事の状況等についてチェックしたものを企業や支援者と情報共有・確認し、適切なセルフケアやラインケア、支援機関の対応につなげるためのツールの開発があげられる。

本ワークショップでは、これまで開発されたツール(全国精神障害者就労支援事業所連合会のSPIS、川崎市のK-STEP、大阪府の雇用管理のための対話ツール、障害者職業総合センター情報共有ツール等)を取り上げ、これらのツールの概要を説明すると共に、ツールが実践現場で有効に活用されるための課題や工夫について検討する。

*話題提供者は現在調整中。

自主ワークショップ4

テーマ
「テレワークの全国ネットワーク『全障テレネット』を 立ち上げて-テレワークの10年の展望を考える-」
登壇者
  • 藤井 明日香 (高松大学)
  • 川崎 壽洋 (特定非営利法人 ぶうしすてむ)
  • 堀込 真理子 (社会福祉法人 東京コロニー)
  • 佐藤 美貴 (特定非営利活動法人 札幌チャレンジド)
  • 六車 浩 (かがわ総合リハビリテーションセンター)
  • 津田 貴 (株式会社沖ワークウェル)

障がい者の働き方の選択肢を拡げる1つとしてテレワークがある。厚生労働省においてもテレワークのニーズの潜在性の高さや雇用に移行する準備段階の活用などの有効性が認識されている。

しかしまだ発注元や雇用元となる企業や,当事者及び支援者含めテレワークについて認知が低くい現状がある。全国8団体によって2017年に組織化された全障テレネットでは,それぞれの運営法人の種別に関わらず,支援リソースの共有やノウハウの蓄積を行っている。

そこで本ワークショップでは,テレワークの現状やその支援について紹介する。障がいのある方にも話題提供いただくことで,実例を紹介し,参加者の方々との直接意見交換を通じて,テレワークの可能性やその実際について理解を深め,今後のテレワークの10年の展望を考える。

自主ワークショップ5

テーマ
「働く障がいのある方が語ることを通じて学ぶこと」
登壇者
  • 重泉 敏聖 (就業・生活応援プラザ とねっと)
  • 池田 望 (札幌医科大学)
  • 調整中
  • 調整中

就業・生活応援プラザとねっと(以下、とねっと)は札幌市から委託を受けている就業・生活相談支援事業所です。とねっとでは「わーくカフェジョイン(以下、ジョイン)」という一般企業で働いている障がいのある方の為の地域活動支援センター(就労者支援型)も運営しています。

ジョインでは働く障がいのある方が自分の障がいや仕事の苦労や工夫、自分との向き合い方などを専門職や当事者に語る「語り部の会」という活動を行っています。

本ワークショップでは、語り部の会のメンバーたちに活動を通じて得られたことや他者に自身の経験を語る意味を話していただきます。そこから私たちが支援者として彼らから学ぶべきことを考えたいと思います。

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8/25()ワークショップ③10:30-12:00

学会政策委員会主催ワークショップ

テーマ
「いま一度福祉から雇用への移行を考える」
司会
  • 倉知 延章 (九州産業大学 人間科学部臨床心理学科教授)
登壇者
  • 福岡 新司 (一般社団法人SOWET理事長)
  • 小川 浩 (大妻女子大学人間関係学部人間福祉学科 教授)
  • 眞保 智子 (法政大学現代福祉学部 福祉コミュニティ学科 教授)

今春から精神障害者(精神障害者保健福祉手帳保持者)の雇用の義務化が施行され、法定雇用率の引き上げが行われたところである。厚労省の今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会において障害者雇用促進制度について経営者団体・障害者団体・労働組合・公益の委員が約1年にわたり議論を進めてきた。

法制度改正を見据えた議論が進む中で、いま一度福祉から雇用への移行について、移行の仕組み、人材育成、働き方を考える、3つの視点から議論を進めていきたい。

研究・実践発表(分科会6 発達障害)

テーマ
「発達障害者の就労支援におけるジョブマッチングの実践事例」
登壇者
  • 飯塚 菜緒 (就労移行支援事業所ワークアシスト)

就労支援のプロセスにおいて、通所訓練中期から後期にかけて行われるのが、「ジョブマッチング」です。就労移行支援事業所でも、様々な方法で、ジョブマッチングのためのアセスメントを行っています。発達障害のある人の就労支援に携わるなかで、より良いジョブマッチングのためには、障害のある人の作業能力や障害特性のアセスメント、職場の仕事内容や環境についてのアセスメントを行うと同時に、就労を希望する人の目標や希望を確認し、職業選択に反映させることが、就労継続のために大切だと考えるようになりました。今回は、現在就労されている発達障害の人の実践事例から、ジョブマッチングのプロセスや、ジョブマッチングが現在の就労状況に与えている影響について報告します。

テーマ
「発達障害を持つ方に対する就労支援における怒り対処 プログラムの実用性の考察研究」
登壇者
  • 勝田 範子 (NPO大阪精神障害者就労支援ネットワーク  JSN研究所)

本研究では、近年関心の高い発達障害のある方の怒りの対処(アンガ―マネジメント)について、就労移行支援に適応させ、職場定着計の一助となるようにその効果の検討を行った。4名に対してプログラム(金築ら2008)を実施した。直近の怒りを喚起した場面を5つに対して、怒りの心理教育などを行い、怒りに繋がる認知を整理した上で、喚起場面を再度イメージするセッションを全4回で行った。ストレス対処尺度と怒りの自己陳述尺度を最初と最後に取った結果、数値に変化が認められた。また本人も自分の怒りについて知るきっかけとなり、今後の就職定着の一助となることが示唆された。

テーマ
「就労後に起きる心理状態の変化と作業療法士の関わり」
登壇者
  • 藤川 千鶴 (株式会社スタートライン)

仕事上のつまずきから発達障がいと診断され、障害者枠で初めて就労した2事例が表出した就労上の様々な葛藤の分析を試みた。作業療法士(以下、OTR)が関わった3ヶ月間に作成した報告書に記載された内容および面談時の会話記録から心理状態を表す用語を抽出し時系列にて分類、事例の発言に対するOTRの対応について分類し解析した。その結果、心理状況がフェーズに分けられ、OTRの対応により次のフェーズへの移行が促されていた。この促しにより事例自身が作業能力の仕分けし、《できないこと》は自身の努力不足ではなく障害の影響であることを認識し、対処行動を取る方向へと導いていた。

テーマ
「就労移行支援事業によるIPSモデルの実践報告」
登壇者
  • 岩田 保恵 (就労移行支援事業所ワークス・アントレ)

2011年4月より就労移行支援事業にて実践してきた約7年間の就労支援の報告。主に、IPSモデルを中心とした支援を行い、現在では、約9割の対象者が職場定着の結果となっている。障害の程度や種別にかかわらず、本人の思いを中心にした支援の実際と、医療や教育との連携、企業へのアプローチなどについて、事例を通して報告を行います。

研究・実践発表(分科会7 農福連携(11:30終了))

テーマ
「地域農業と共存共栄する福祉事業所の農作業を通した 就労支援」
登壇者
  • 石田 憲治 ((国研)農研機構農村工学研究部門)

農福連携の普及とともに、障がい者就労支援の一環として福祉事業所の農作業取組事例が増えつつあるが、新規に取り組む場合の農地確保や技術習得、機械装備の経費等のため、賃金や工賃の向上効果の発揮に時間を要する事例も散見される。他方、地域農業の状況に目を向けると、農業者の高齢化や農地の管理不良の発生、遊休化が顕在化しつつある。また、福祉事業所が就労支援のための生産活動として安定的に農作業に取り組むには、地域との関係づくりが大切である。本稿では、地域農業の担い手不足が深刻化している点に着目し、施設外就労等により高齢農業者をサポートしつつ、福祉事業所が安定して農作業に取り組む方策について事例的に考察する。

テーマ
「就労継続支援事業所における農作業内容と特徴 -サービス種別に着目した岡山県での取り組み-」
登壇者
  • 片山 千栄 ((国研)農研機構農村工学研究部門)

 福祉事業所では、就労の場として、また社会参加や心身の健康維持のために農作業の取り組みへの期待が大きい。農業分野においても農村地域の人口減少や農業者の後継者不足、耕作放棄地の増加などを背景に、多様な主体の農作業参加に期待が高まる。

 そこで、岡山県内の就労継続支援A型およびB型事業所を対象にした、質問紙による農作業の取り組み実態調査結果をもとに、サービス種別に着目して、農作業の具体的内容や地域との関係などについて分析した。その結果、農作業の頻度や時間、作業目的や施設外就労等を含めた取り組み方法などに違いがあり、サービス事業の趣旨や事業所の実情に合わせた多様な取り組み実態が明らかになった。

テーマ
「精神障害者就労としての農福連携の可能性 -寒冷地過疎地域におけるこれからの展開-」
登壇者
  • 木下 一雄 (名寄市立大学 保健福祉学部 社会福祉学科)

北海道上川北部地域にある名寄市の人口は27000人程度で、周辺の市町村の高齢化率は、40%前後と全国平均をはるかに上回るスピードでの高齢化と急速な過疎化が進行しており、限界集落も増加してきている。急速に進行する人口減少と超高齢化をいかに乗り越えていき、どのようにして精神障害者の方々が地域で自立した生活が営めるのか早急に検討していく必要性がある。この現状を変えていくためには、精神科病院における入院医療に依存しない新たな精神障害者の就労支援のあり方が急務となっているのである。そのため、今回現場で勤務している職員の方にインタビュー調査をし、問題点を聞き取り、分析し、結果を分析していくことが重要である。今後過疎地域で精神障害者が自立していくためには、北海道ならではの寒冷地の特性を生かし、なおかつ恒久的に継続していける産業であり、過疎地域で後継者不足に悩んでいる農業と福祉の連携における就労支援の実践が、今後過疎地域で精神障害者が自立していくために重要視されていくだろうと思われる。

ポスター発表

テーマ
「職業リハビリテーションにおける自己理解の支援行動の 特徴について~支援者の自由回答に対するテキスト マイニングによる分析~」
登壇者
  • 前原 和明 (障害者職業総合センター)

職業リハビリテーションにおいて、支援対象者の自己理解を促進するための支援を展開することは重要である。これまで、この自己理解の支援を整理したものはほとんどない。しかし、実践的有用性の観点からこの行動を明らかにすることの意義は大きい。そこで、本研究では、実践現場における自己理解の支援の特徴を明らかにすることを目的に、職業リハビリテーションに携わる支援者の各障害(統合失調症、気分障害、発達障害)に対する自己理解の支援の特徴や工夫等についての自由回答をテキストマイニングにより質的に分析した。

テーマ
「就労支援における発達障害者の感情認知の特性評価 -新版F&T感情識別検査の利用可能性ー」
登壇者
  • 知名 青子 

障害者職業総合センターでは新版F&T感情識別検査を開発した。本検査は音声や表情から感情を読み取る際の認知特性を評価するものである。発達障害者の就労支援において本検査の利用可能性について検討する。

テーマ
「障害者職業総合センター研究部門における研究課題の体系化」
登壇者
  • 武澤 友広 (障害者職業総合センター)

障害者職業総合センター研究部門は調査研究の成果を調査研究報告書及び資料シリーズ等にまとめ公開している。これらの研究成果を体系化することは、これから"検討すべき研究課題"を明らかにする上でも有効であろう。本発表では、障害者職業総合センター研究部門において平成28年度までに作成された調査研究報告書及び資料シリーズ235本を対象とし、各報告書から"研究課題"を抽出した後、研究課題の類似性に基づきグループ化したものを図示した結果について報告する。

テーマ
「大学における障害学生へのキャリア支援:精神障害を中心に」
登壇者
  • 清野 絵 

近年、障害者差別解消法等を背景に、大学等の高等教育機関に在籍する障害学生が増加している。しかし、高等教育機関における障害学生の就職率は49.9%であり、障害のない学生の就職率60.9%より低いという課題がある。したがって、今後、障害学生へのキャリア支援を充実させていくことが期待されている。また障害学生へのキャリア支援を効果的に進めるには、学内におけるキャリア支援センター、障害学生支援室、学生相談室等の連携と、学外の就労支援機関等との連携が重要である。以上の背景から、本研究では、大学における障害学生へのキャリア支援について、文献研究によりその動向を明らかにし、今後の研究に資することを目的とする。

テーマ
「精神科診療所におけるジョブコーチ支援のニーズと稼働」
登壇者
  • 千田 若菜 (医療法人社団ながやまメンタルクリニック)

当院では、昨年度より訪問型職場適応援助者を配置し、地域の就労支援機関等関係機関と連携した支援を実施している。本発表では、1年間の実績について振り返り、以下について検討する。

・外来の精神科診療所ではどのようなジョブコーチ支援の ニーズが拾われるのか

・地域のどのような機関とどのような連携を行うか

・稼働につながるケース、つながらないケース

・ジョブコーチ支援の治療的な寄与

以上を通じて、精神科医療機関におけるジョブコーチ支援の一つの在り方について考察する。

テーマ
「障害学生就職支援担当者の役割に対する 職業リハビリテーション機関職員の期待【第一報】  School-to-work transition coordinators’ role  expected by vocational rehabilitation service  providers: A preliminary investigation」
登壇者
  • 後藤 由紀子

大学に在籍する障害学生数はこの10年間に5倍以上に急増しており、さらに主な障害種別が身体障害から精神障害・発達障害へと移ってきていることから、近年、大学における障害学生の就職支援現場では支援方法の転換が迫られている。

その中で注目されているのが学外の専門機関との連携である。大学-学外機関間の連携を促進するためには、相互の役割期待の現状を把握し、担当者に求められる知識・スキルや役割分担の在り方について検討する必要がある。

本研究では、大学における障害学生就職支援の主要な連携先として想定される職業リビリテーション機関職員等を対象とした役割意識および役割期待に関する調査結果の概観を報告し,両機関の連携についての展望を考察する。

テーマ
「就労継続支援B型事業所の職員の意識調査」
登壇者
  • 金弦 敬子 (学校法人仁多学園 島根リハビリテーション学院)

就労継続支援B型事業所の就労について,低賃金や就労事業所の背景,援助者の認識等について様々な研究がなされているが,その対策についての論文は見当たらない.そこで今回,Z事業所の職員はどのような認識で障害者就労支援に携わっているのかを調査し,工賃向上に向けての問題点を明らかにしたいと考えた.

Z事業所の職員に対し,就労意識アンケートを実施した結果,利用者の就労に向けた支援の必要性や工賃向上に高い意識を持ち,疾患等に関する研修を実施しているものの,実際の就労へは結びつかない現状であった.今後,研修の内容を法制度・マネジメント・就業支援の実践というように具体化する必要性があることが明らかになった.

テーマ
「職業リハビリテーションと作業療法士  ー資格制定後初期の研究にみる専門性ーー」
登壇者
  • 中村 俊彦 (常葉大学保健医療学部作業療法学科)

職業リハビリテーションにおける医療、福祉の枠を超えた他職種連携は質の高いサービスを展開する上で重要である。他職種連携の中で、作業療法士はリハビリテーション医療の立場から専門的な知識と技術の提供が期待されている。

本研究では、文献研究を通じて、作業療法士が1965(昭和40)年の国家資格が制定された後の萌芽期とも言える数年間で職業リハビリテーションに対してどのような関わりをしていたかを整理した。その結果、資格制定後しばらくは労働災害、障害児療育、結核など、当時の社会背景を反映した幅広い障害、疾患の職業リハビリテーションに取り組んでいたことが具体的な事例研究を通じて確認することができた。

テーマ
「働く知的障害者に対する職場同僚の援助行動を引き出す 支援者の活動 -因子分析による検討-」
登壇者
  • 若林 功 (東京通信大学)

障害者の職場定着のために、障害者が就職した企業内における同僚・上司(以下、同僚等)から援助を得られることは重要であり、ジョブコーチ等支援者は同僚等から働く障害者に援助が提供されるように、同僚等に働きかけたり(例:当該障害者と関わるように依頼する)、障害者本人に支援を行い(例:同僚等に挨拶をする練習を行う)、職場内のサポート体制を構築することを目指している。

このような支援者の同僚等からの障害者への援助を引き出す活動の内容について、量的データにより分析された先行研究は少ない。そこで、本発表では知的障害者に限定し、職場同僚の援助行動を引き出す支援者の活動を因子分析によって検討する。

テーマ
「障害者雇用制度の改正等に伴う企業意識・行動に関する検討」
登壇者
  • 宮澤 史穂 (障害者職業総合センター)

平成28年度から平成30年度にかけて、差別禁止及び合理的配慮提供義務規定の制定、法定雇用率の見直し等、障害者雇用に関する制度改正が相次いで実施されてきた。これらの制度改正に対し、企業は対応を迫られることとなるが、実際にどのような意識を持ち、どのような対策を講じているのだろうか。本発表では、これらの制度改正についての認知度、対応状況、社員への周知状況等について、企業の人事担当者を対象として実施したアンケート調査の結果について報告する。

テーマ
「発達障害者の職場定着の課題と支援に関する研究  -特例子会社における合理的配慮の実践から-」
登壇者
  • 滝島 真優 (目白大学)

我が国における障害者雇用率制度では、特に成人期以降の精神疾患合併リスクが高く、障害特性からみて、変化それ自体に順応しがたいという側面がある発達障害者においては、雇用機会にアクセスすることや就労後の定着の困難さが推測される。そして現在、障害者差別解消法の施行を受け、企業が障害者雇用を促進する上で合理的配慮事項の明確化がより一層望まれている状況である。

以上のことから、個別に応じた柔軟な働き方や職業適性を踏まえたジョブマッチングを図ることを通じた職場定着を実現するため、発達障害者の就労上の合理的配慮の内容を明らかにすることを目的に発達障害者を5年以上雇用する企業の障害者雇用担当者を対象に面接調査を実施した。

その結果、加齢による作業パフォーマンスの低下への対応や障害特性に配慮したキャリアアップへの対応、通勤時のトラブルへの対処や社内行事への参加等も含めた余暇活動等、生活面における対応等ソフトスキルに係る合理的配慮事項の検討に課題があることが明らかになった。

自主ワークショップ6

テーマ
「改めて復職支援を問う -今までのリワーク これからのリワーク-」
登壇者
  • 本多 俊紀 (NPO法人コミュネット楽創)
  • 藤原 由貴 (がん・メンタルヘルスリワークセンター リブラフ)
  • 大浜 伸昭 (さっぽろ駅前クリニック)
  • 相内 雄介 (フリーランス)

近年、両立支援のガイドラインが策定され、がんをはじめとする様々な疾病を抱えながら就労を継続する取り組みが広がっている。しかし、復職支援に関する体制はまだ、発展途上にある。一方、メンタルヘルスの領域では医療が主導となり復職支援が取り組まれており、復職支援における課題も明らかになりつつある。

本ワークショップでは、復職支援に携わる方々に話題提供をしていただき、今後、多様なニーズを求められる復職支援の在り方について考えることを目的としている。参加者とのディスカッションを通して、医療、福祉、企業の各自が復職支援で担うべき役割や必要なシステムについて検討をする予定である。

※そのほかの出演者も交渉中。

自主ワークショップ7

テーマ
「北海道就労・就業部会連絡協議会の取り組みから ~地域を一緒に考えてみませんか?」
登壇者
  • 重泉 敏聖 (就業・生活応援プラザ とねっと)
  • 高谷 さふみ (くしろ・ねむろ就業・生活支援センター ぷれん)
  • 金子 宣裕 (小樽後志地域障がい者就業・ 生活支援センターひろば)
  • 調整中

私達は平成29年に北海道内各地域の自立支援協議会における就労・就業の実態について、情報共有の場として「北海道就労・就業部会連絡協議会」を任意で立ち上げました。

協議会では、就労・就業が中心の自立支援協議会が設置された地域がある一方、協議会はあるものの就業・就労の話題や活動ができない地域、そもそも就労・就業に関する社会資源が無い地域など様々な課題も共有することができました。

このワークショップでは参加者の方達と地域づくりの要としての自立支援協議会における就業・就労の実践を共有し、地域でできること、課題の共有、ここでできた繋がりができることなどを一緒に考えたいと思い企画しました。

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4-1.口頭発表【研究・実践発表】

  • 大会1日目14:30~17:45(一部18:05)、大会2日目10:30~12:00(一部11:30)の時間帯で、口頭発表が行われます。
  • 発表者は筆頭発表者のみを掲載しています。
  • 掲載番号は発表順ではございません。
  • 口頭発表について、会場ごとのグループ分けは 現時点では行われておりませんので当日ご確認ください。
  • 当日の各会場の移動は自由です。
テーマ
「知的障害者の働く意欲を高めるための生活支援」
登壇者
  • 川上 輝昭 (名古屋女子大学)

知的障害者が就労の機会を得ても途中で離職することが多い。その理由は様々であるが精神的不安定もその理由の一つである。就労継続のためには生活の場において精神的に安定できる支援が不可欠である。

様々な負担や不安を感じている知的障害者に寄り添い、就労意欲を高める実践を試みた。その結果として離職を事前に防ぐこともできたが、支援者に求められる課題も浮き彫りになった。知的障害者が働く上で必要な生活支援の課題に触れてみたい。

テーマ
「地域農業と共存共栄する福祉事業所の農作業を通した 就労支援」
登壇者
  • 石田 憲治 ((国研)農研機構農村工学研究部門)

農福連携の普及とともに、障がい者就労支援の一環として福祉事業所の農作業取組事例が増えつつあるが、新規に取り組む場合の農地確保や技術習得、機械装備の経費等のため、賃金や工賃の向上効果の発揮に時間を要する事例も散見される。

他方、地域農業の状況に目を向けると、農業者の高齢化や農地の管理不良の発生、遊休化が顕在化しつつある。また、福祉事業所が就労支援のための生産活動として安定的に農作業に取り組むには、地域との関係づくりが大切である。

本稿では、地域農業の担い手不足が深刻化している点に着目し、施設外就労等により高齢農業者をサポートしつつ、福祉事業所が安定して農作業に取り組む方策について事例的に考察する。

テーマ
「就労継続支援事業所における農作業内容と特徴 -サービス種別に着目した岡山県での取り組み-」
登壇者
  • 片山 千栄 ((国研)農研機構 農村工学研究部門)

 福祉事業所では、就労の場として、また社会参加や心身の健康維持のために農作業の取り組みへの期待が大きい。農業分野においても農村地域の人口減少や農業者の後継者不足、耕作放棄地の増加などを背景に、多様な主体の農作業参加に期待が高まる。

 そこで、岡山県内の就労継続支援A型およびB型事業所を対象にした、質問紙による農作業の取り組み実態調査結果をもとに、サービス種別に着目して、農作業の具体的内容や地域との関係などについて分析した。その結果、農作業の頻度や時間、作業目的や施設外就労等を含めた取り組み方法などに違いがあり、サービス事業の趣旨や事業所の実情に合わせた多様な取り組み実態が明らかになった。

テーマ
「当院における就労・復職支援への取り組み  ~患者動向調査とアンケート調査を得て~」
登壇者
  • 繁田 雅斗 (福岡リハビリテーション病院)

平成29年4月~10月まで当院に入院されていた病前に就労していた患者様を対象に退院後の追跡調査を実施し、復職状況を確認した。

その結果、高次脳機能障害者の復職の割合が低いことが分かった。また院内での就労・復職支援マニュアルを作成し、その後当院のリハビリスタッフに就労・復職支援に対するアンケート調査を実施した。その結果を得て、新たに患者様とリハビリスタッフが就労・復職に向けて協業可能なパンフレットを作成検討した。

今回は、退院後の患者様の追跡調査とリハビリスタッフへのアンケート調査をもとに検討した当院の就労・復職支援チームの取り組みを紹介させて頂く。

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「相談支援機関等における就労支援事業所選定ツールの 開発に関する研究 ―東京都大田区の 『支援者向け就労支援施設ガイドブック』 の作成プロセスから考える―」
登壇者
  • 富田 文子 (立教大学)

大田区では相談支援機関等の支援者が、障害者に就労支援機関を案内する際、事業所の空き状況に依拠したミスマッチングな種類・事業所の選定になりがちのため、その後の利用継続に課題がある。

そこで、就労支援機関の種類やそれぞれの特長について正確な理解を促す観点で、就労支援施設ガイドブックを作成した。そのプロセスにおいては、支援者が障害・生活の状況に応じた就労準備性に基づく適切な施設を、客観的に測定するための目安となる項目や、各事業の利用のタイミングをわかりやすく図式化したツールを活用することで、適切な利用に関するアセスメントを可能にしたと考える。

今後は、ガイドブック利用による効果測定を行い、尺度化を図りたい。

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「記憶障害を呈した40歳代女性に対し、 就労移行支援事業所において実施した復職支援」
登壇者
  • 小圷 仁美 (社会福祉法人博友会 フロイデ工房しろさと)

当施設は就労移行支援、就労継続支援B型を運営しており、開設10年目を迎える。作業内容は、法人内の介護施設で使用するタオルのクリーニング、菓子製造、外部実習の斡旋など、多岐に渡る。その他、高次脳機能障害者を対象としたグループワークも実施している。

今回、辺縁系脳炎により記憶障害を中心とする高次脳機能障害を呈した40代の女性(Aさん)を担当する機会を得た。Aさんは、医療機関に入院中もメモ帳や手帳を利用した代償手段の獲得を目指していたが、充分な活用に至らないまま前職への復職の時期を迎えることになった。Aさんが利用を開始してから復職に至るまでの1年半の支援経過について、考察を加え報告する。

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「発達障害者の就労支援におけるジョブマッチングの 実践事例」
登壇者
  • 飯塚 菜緒 (就労移行支援事業所ワークアシスト)

就労支援のプロセスにおいて、通所訓練中期から後期にかけて行われるのが、「ジョブマッチング」です。就労移行支援事業所でも、様々な方法で、ジョブマッチングのためのアセスメントを行っています。

発達障害のある人の就労支援に携わるなかで、より良いジョブマッチングのためには、障害のある人の作業能力や障害特性のアセスメント、職場の仕事内容や環境についてのアセスメントを行うと同時に、就労を希望する人の目標や希望を確認し、職業選択に反映させることが、就労継続のために大切だと考えるようになりました。

今回は、現在就労されている発達障害の人の実践事例から、ジョブマッチングのプロセスや、ジョブマッチングが現在の就労状況に与えている影響について報告します。

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「障害者雇用の質的改善に向けた基礎的研究 ―様々な立場から障害者の雇用の質について考える」
登壇者
  • 大石 甲 (独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構  障害者職業総合センター)

障害者雇用の質的改善に関わる様々な視点等について、先行研究の検討、専門家へのヒアリング、企業へのグループインタビューを通して整理・分類した。

収集した計182の様々な立場の視点は、①社会からの期待への対応、②障害者雇用の位置づけと全社的な取組、③障害者のキャリア形成と能力の発揮、④障害理解に基づくきめ細かな対応、⑤働く価値や意味-賃金、自己実現等、⑥障害者雇用の波及効果、⑦その他の計7つに分類された。

障害者を雇用する企業は、極めて多くのステークホルダーとの関わりの中で、その期待に応えて社会的責任を果たしつつ、事業を継続させ、成長させていく構造を、実践的な取組と併せて見てとることができた。

テーマ
「就労移行支援従事者の人材育成について」
登壇者
  • 中嶌 幸 (NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワーク JSN研究所)

本研究は、就労支援の現場でも課題と言われるようになった、支援格差について解消の一助となるように、入職1年目と4~5年目の「面談」に着目しその違いを明らかにすることを目的に行った。中嶌・池田(2016)の継続研究として行った。

調査対象は1つの就労移行支援施設に所属している支援員4名で、測定材料・手続き・結果は以下の通りだった。

各支援員が入職1~2年目と4~5年目の1年間に面談対応に割いた時間を支援記録システムより抽出し、時間数の比較を行った。時間に関して有意な差が見られた他、面談の内容にも差が見られた。支援者が入職した際の育成方針について、示唆が得られたと思われる。

テーマ
「民間リハビリテーション病院における就労支援促進活動 『Good Job !チーム』の現状と課題」
登壇者
  • 平原 由梨子 (医療法人銀門会甲州リハビリテーション 病院地域包括ケア推進部)

 当院リハ部のリハ専門職向け就労支援促進チーム活動の現状と課題を整理し、今後の活動のあり方を考察する。

 現状は①平成26~29年度の15~65歳患者は当院全体の約2割でその約57%が休職中。本チーム相談件数は休職者全体の2割。②平成29年度の15~65歳患者は当院全体の約18.2%でその約51.7%が休職中。脳損傷の休職者は36名で休職者全体の47.3%。シニア世代の休職者は同世代全体の38.4%で、うち脳血管疾患の休職者は4名。

 リハ専門職には患者のライフステージやニーズを捉え職業リハと連携した支援が求めらるが、当院の現環境では支援経験を蓄積し難い。課題解決には、院内に患者の実態把握や復職後の追跡調査、多職種協働の促進を行う就労支援担当の職員配置や組織化が必要と考える。

テーマ
「発達障害を持つ方に対する就労支援における 怒り対処プログラムの実用性の考察研究」
登壇者
  • 勝田 範子 (NPO大阪精神障害者就労支援ネットワーク  JSN研究所)

本研究では、近年関心の高い発達障害のある方の怒りの対処(アンガ―マネジメント)について、就労移行支援に適応させ、職場定着計の一助となるようにその効果の検討を行った。

4名に対してプログラム(金築ら2008)を実施した。直近の怒りを喚起した場面を5つに対して、怒りの心理教育などを行い、怒りに繋がる認知を整理した上で、喚起場面を再度イメージするセッションを全4回で行った。

ストレス対処尺度と怒りの自己陳述尺度を最初と最後に取った結果、数値に変化が認められた。また本人も自分の怒りについて知るきっかけとなり、今後の就職定着の一助となることが示唆された。

テーマ
「生活上の課題に起因する就労継続困難要因の分析枠組みの 検証 -軽度知的障害者の事例からの検討ー」
登壇者
  • 山下 千浪 (社会福祉法人渓明会)

 障害者の就労定着を進める上で、生活支援は欠かせない。複雑多岐にわたる生活課題を持つ場合には一層支援が困難になる。

筆者も関わった厚生労働科学研究の「生活支援による就労の定着の在り方にかかる研究」(2015年度~2017年度)では、生活上の課題により離職に至った困難事例について、就労定着上の課題の「特定」と、改善に向けた対策の方策についての枠組みを提示し分析を行った。

この中の2事例について、筆者が「働く軽度知的障害者の生活支援の在り方に関する研究」(2016)において構造化した生活支援の枠組みを用いて再分析し、生活上の課題に起因する就労継続困難要因の分析枠組みについて検証した。

テーマ
「就労移行入所前の福祉サービス利用が継続就労に及ぼす 影響について」
登壇者
  • 城 美早 (NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワーク)

本研究は、精神障害者の職場定着が課題として以前から取り上げられることが増えている中、就労移行支援事業所に入所する以前の経歴に焦点を充てて、経歴がどのように職場定着に影響を与えているかを明らかにすることを目的に行った。

①医療機関のデイケアを経て、入所した後に就職した人②就労継続支援B型(以下、B型)の利用を経て、入所した後に就職した人③未経由で入所した人、に分類し入所前の経歴が就労移行支援事業所の訓練内容や就職後の職場定着日数にどう違いが発生するかの検討を行った。

26名のB型利用者経験者との比較した結果、継続就労日数において差が見受けられた。

テーマ
「精神障害者就労としての農福連携の可能性 -寒冷地過疎地域におけるこれからの展開-」
登壇者
  • 木下 一雄 (名寄市立大学 保健福祉学部 社会福祉学科)

北海道上川北部地域にある名寄市の人口は27000人程度で、周辺の市町村の高齢化率は、40%前後と全国平均をはるかに上回るスピードでの高齢化と急速な過疎化が進行しており、限界集落も増加してきている。

急速に進行する人口減少と超高齢化をいかに乗り越えていき、どのようにして精神障害者の方々が地域で自立した生活が営めるのか早急に検討していく必要性がある。

この現状を変えていくためには、精神科病院における入院医療に依存しない新たな精神障害者の就労支援のあり方が急務となっているのである。そのため、今回現場で勤務している職員の方にインタビュー調査をし、問題点を聞き取り、分析し、結果を分析していくことが重要である。

今後過疎地域で精神障害者が自立していくためには、北海道ならではの寒冷地の特性を生かし、なおかつ恒久的に継続していける産業であり、過疎地域で後継者不足に悩んでいる農業と福祉の連携における就労支援の実践が、今後過疎地域で精神障害者が自立していくために重要視されていくだろうと思われる。

テーマ
「知的障害者の身辺自立に対する家族の意識と取り組みに 関する研究」
登壇者
  • 滝川 裕美 

 知的障害者が生涯にわたって自立し社会参加していくためには、身辺自立をし安定した就労の場での役割を持つことが大切である。知的障害者の身辺自立のために家族はどのような取り組みをしているのか、特別支援学校で行われているキャリア教育の「職業観」「勤労感」を育む学習プログラムの枠組みのキャリアプランニング マトリックス(試案)を子育ての中での工夫に当てはめた。

「意思決定能力」に対して、家族は取り組みが難しいと感じていた。家族の知的障害者に対する身辺自立の積極的な取り組みから、教育機関や企業と共有することは「将来設計」の一助になると考える。

テーマ
「引き継ぎシートから就労継続の要因を探る ~本人の夢や目標に着目して~」
登壇者
  • 久保川 良子 (NPO法人大阪精神障害者就労支援  ネットワークJSN新大阪)

NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワーク(以下、JSN)では、各就労移行支援冶要所でトレーニングを行い、就職するとジョブコーチに引き継ぎ定着支援を行う流れになっている。ジョブコーチへの引継ぎを行う際に、引継ぎシートを作成し引継ぎ面談を実施する。

本研究では、JSNを利用して就職した46名分のシートから「不調時のサイン」「しんどくなった時の対処法」「将来の夢や目標」などの記入内容を抽出し、就労が継続している群と継続していない群に分け、分析を行った。就労が継続している群と継続していない群では、将来の夢や目標を具体的に記入しているかの部分で差が見られた。また、分析から見えてきた就労継続の要因についてもまとめている。

テーマ
「就労支援機関における就労支援従事者のストレス -職業性ストレス簡易調査票を用いて-」
登壇者
  • 大川 浩子 (北海道文教大学)

 メンタル不調者のいる割合が高い産業のひとつに医療・福祉があげられている。しかし、就労支援従事者のストレスに関する報告は少ない。今回、我々は就労支援機関の就労支援従事者に対し職業性ストレス簡易調査票を用いた調査を行った。

 回答者360名中、高ストレス者と判断された者は53名(14.7%)であった。また、高ストレス者は現職の就業継続について「できるだけ継続したい」が28名(52.8%)と最も多く、ワーク・エンゲイジメントは低いレベルの者が33名(62.3%)と多かった。これらの結果から、就労支援従事者のストレスについて検討する際には、ワーク・エンゲイジメントについても注目する必要があると思われた。

テーマ
「精神障害のある方とともに働くことで職場満足度に 与える影響」
登壇者
  • 福島 美和子 (NPO法人大阪精神障害者就労支援 ネットワークJSN)

平成30年4月1日から障害者雇用率が2.0%から2.2%に引き上げになったが、精神障害のある方の雇用には企業から消極的な声を聞くことが多い。

しかし障害者雇用には二次的効果があるとも言われている。精神障がいのある方と働くことで、社内雰囲気の変化、社内システムの改善につながったという事例を耳にすることもある。そのため精神障害のある方と働くことが従業員の職場満足度に与える影響について明らかにすることを目的とした。

障害者雇用をしている企業7社で、実際に精神障害のある方と働く現場従業員の方へアンケートとインタビューを行った。結果、精神障害のある方の雇用には副次的な効果があり、また経営的効果にも良い影響を与えることが見られた。

テーマ
「発達障害のある方の就労定着に影響を及ぼす 態度について」
登壇者
  • 實盛 朱里 (NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワーク JSN新大阪アネックス)

平成30年度の法定雇用率の上昇などから発達障害のある方の雇用・就労定着も関心が高まっている。本研究は発達障害を持つ方の就労定着に影響を及ぼす要素について調査を行った。対象者はいずれも1年以上職場に定着をしている発達障害のある方8名が所属している企業の場長並びに現場担当者8名(4社)に「職業態度チェックリスト」(菅野ら2015)を実施し、項目についてのインタビューを行った。

その結果、知的障害の方を対象とした先行研究(小笠原ら2016)で示されたように、安定した職場定着には上位階層から下位階層へのなだらかな右下がりの数値になることが認められた。発達障害のある方の職場定着の支援における示唆が得られたと思われる。

テーマ
「就労者支援のケースから今後の定着支援を考える」
登壇者
  • 船本 修平 (NPO法人コミュネット楽創)

就労移行支援として利用者の就職後も職場訪問や面談等を行ってきた。働いていく中で本人や企業がどんなことを思い考えてきたのか職場訪問等をとおして語られてきたことや実際に起こったことを複数のケースから振り返り、今後の定着支援における支援者の役割り、社会的な意義を考える。

テーマ
「就労後に起きる心理状態の変化と作業療法士の関わり」
登壇者
  • 藤川 千鶴 (株式会社スタートライン)

仕事上のつまずきから発達障がいと診断され、障害者枠で初めて就労した2事例が表出した就労上の様々な葛藤の分析を試みた。

作業療法士(以下、OTR)が関わった3ヶ月間に作成した報告書に記載された内容および面談時の会話記録から心理状態を表す用語を抽出し時系列にて分類、事例の発言に対するOTRの対応について分類し解析した。

その結果、心理状況がフェーズに分けられ、OTRの対応により次のフェーズへの移行が促されていた。この促しにより事例自身が作業能力の仕分けし、《できないこと》は自身の努力不足ではなく障害の影響であることを認識し、対処行動を取る方向へと導いていた。

テーマ
「高次脳機能障害者におけるWork-ability Support  Scale(WSS)日本語版の開発」
登壇者
  • 北上 守俊 (新潟リハビリテーション大学)

近年、障害者の就労支援の実態に関する報告は散見しているが、アウトカムに関する研究は乏しい。その要因として、簡便かつ定量的に評価するツールが少ないこともエビデンスが蓄積しにくい一因であると示唆する。

そこで本研究では、2013年に脳損傷者等への就労能力の評価尺度として国外で開発されたWork-ability Support Scale(以下、WSS)の日本語版を原著者Fadyl J(Auckland University of Technology)らの許可を得て開発した。

翻訳作業は、翻訳業者によるバックトランスレーションを行なったものを原著者に送付し、内容の妥当性に関する確認を受け完成させた。その後、高次脳機能障害者を対象に完成したWSSを活用し、就労のカットオフ値や就労要因等を明らかにした。

テーマ
「高次脳機能障害者に対する合理的配慮についての一考察  ~高次脳機能障害者の困り事を中心に~」
登壇者
  • 峯尾 舞 (医療法人社団KNI 北原国際病院  リハビリテーション科 就労支援室)

高次脳機能障害は「見えない障害」、「隠れた障害」と言われ、「注意障害」や「記憶障害」等の複数の障害から構成される複雑さからも、就労支援・就労継続支援に難しさを感じている支援者や企業担当者は少なくない。

また、他障害と比較し、高次脳機能障害者は人口が少なく支援の歴史も浅いため、現場における支援実践例が十分に蓄積されず、合理的配慮の具体例を把握する機会に乏しいのではないだろうか。

そこで今回は、複数名の当事者について、困り事と共に、障害像、医療機関における評価結果、職場へ伝えた配慮事項、企業における実際の配慮等を整理し、どのような合理的配慮が求められるのか報告する。

テーマ
「就労支援実践者が用いているアセスメントの現状  -文献による検討から-」
登壇者
  • 塩澤 まどか (NPO法人コミュネット楽創)

我々は第42回大会で就労支援におけるアセスメントの現状に関する文献研究を報告した。しかし、文献の取り込み条件等の課題があり、改めて就労支援実践者が用いているアセスメントを検討した。

方法は,2017年11月2日に医中誌を用いて、「職業リハビリテーション」「就労支援」「アセスメント」「評価」のキーワードを組み合わせ、年代を指定せず検索した。

更に、1)原著論文、2)次の3点が記載されている:事例、アセスメント、就労支援、という条件で絞り込んだ結果、最終的に30論文が残った。年代別では2006~2010年が12論文と最も多かった。また、掲載誌はリハビリテーション関係の雑誌が19論文と多くを占めていた。

テーマ
「失語症のある人の就労支援のための専門職連携 のあり方に関する一考察」
登壇者
  • 加藤 朗 (名古屋市総合リハビリテーションセンター 就労支援課)

言語聴覚士は、コミュニケーション障害を有する患者のリハビリテーションを日常的に担当しているが、就労支援の専門性は持ち合わせていない。一方、就労支援担当者は、職業的障害を抱える人の就労支援を日常的に担当しているが、失語症の専門的な知見に精通しているわけではない。

失語症のある人の適切な就労支援を提供する為には、個々の専門職が、それぞれの専門性を活かして連携すること、多職種連携による継続的なチーム支援が効果的であることは、論を待たない。当センターの実践から、言語聴覚士と就労支援担当者他の連携の現状と課題について整理をし、よりよい連携のあり方について考察する。

テーマ
「就労移行支援事業によるIPSモデルの実践報告」
登壇者
  • 岩田 保恵 (就労移行支援事業所ワークス・アントレ)

2011年4月より就労移行支援事業にて実践してきた約7年間の就労支援の報告。主に、IPSモデルを中心とした支援を行い、現在では、約9割の対象者が職場定着の結果となっている。障害の程度や種別にかかわらず、本人の思いを中心にした支援の実際と、医療や教育との連携、企業へのアプローチなどについて、事例を通して報告を行います。

テーマ
「職場定着における就業面と生活面が一体となった支援の 有効性について -札幌市障がい者就業・生活相談支援事業所の事例より-」
登壇者
  • 遠藤 芳浩 (NPO法人コミュネット楽創  就業・生活相談室  からびな)

就業・生活相談室からびな(以下、からびな)は、職業生活における自立を図るため、就業面及び生活面における一体的な支援を行う札幌市の単独事業である。今回、20代の知的障害のあるA氏への定着支援において、就業面と生活面が一体となった支援を実施し、有効であったと思われたため報告する。

A氏は、X年Y月より衣料品店のバックヤードで勤務していた。しかし、本人が必要性を感じる時にしか連絡が取れない状況が続き、本人と接触できた時に端的に状況把握・説明及び対処すべき事柄について話し合う必要があった。相談窓口が一つだったため、職場訪問の際に生活面の状況把握をし、その場で上司と情報共有を行う等の動きを取ることが可能だった。

テーマ
「就労移行・定着支援で用いるセルフモニタリング項目の 内容の検討 ~企業実習日数、就労継続日数との関連から~」
登壇者
  • 池田 浩之 (兵庫教育大学大学院)

就労定着支援サービスの創設(2018)により、職場への定着支援の関心はより一層高まっている。そういった社会背景から、定着支援のためのツールが開発されるようになっている(川崎市, 2015;久保川他, 2015;池田他, 2016)。その中では、精神障害・発達障害のある者の状態を可視化するための項目設定がポイントとなっている。

本研究ではセルフモニタリングを導入する際にどのような項目が有効であるか、設定項目と支援中の企業実習日数や就労継続日数との関連・予測性からその有効性を検討した。職場定着が1000日以上行えている精神障害・発達障害のある者56名のセルフモニタリング項目の解析を行った。その結果、診断毎の項目設定の有効性が示唆された。

テーマ
「精神・発達障害のある人たちのA型事業所における労働の 有効性~障害のある人もない人もともに働くひかり工房の 実践より~」
登壇者
  • 小畑 友希 (社会福祉法人さっぽろひかり福祉会)

精神・発達障害者の職場定着が課題となっているが、ひかり工房ではかつて利用者であった精神障害者および発達障害者6名を職員雇用している。また、多機能型・就労継続支援A型事業を行っているが、複数体制やキャリアアップをはじとする特性を整理しみえてきたことが、精神・発達障害者の一般企業における職場定着にもつながることを提案していきたい。

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4-2.ポスター発表【研究・実践発表】

  • 大会2日目の10:30~12:00でポスター発表(発表者の在席責任時間10:30~12:00)が行われます。
テーマ
「職業リハビリテーションにおける自己理解の支援行動の 特徴について~支援者の自由回答に対するテキスト マイニングによる分析~」
登壇者
  • 前原 和明 (障害者職業総合センター)

職業リハビリテーションにおいて、支援対象者の自己理解を促進するための支援を展開することは重要である。これまで、この自己理解の支援を整理したものはほとんどない。しかし、実践的有用性の観点からこの行動を明らかにすることの意義は大きい。そこで、本研究では、実践現場における自己理解の支援の特徴を明らかにすることを目的に、職業リハビリテーションに携わる支援者の各障害(統合失調症、気分障害、発達障害)に対する自己理解の支援の特徴や工夫等についての自由回答をテキストマイニングにより質的に分析した。

テーマ
「就労支援における発達障害者の感情認知の特性評価-新版F&T感情識別検査の利用可能性ー」
登壇者
  • 知名 青子 

障害者職業総合センターでは新版F&T感情識別検査を開発した。本検査は音声や表情から感情を読み取る際の認知特性を評価するものである。発達障害者の就労支援において本検査の利用可能性について検討する。

テーマ
「障害者職業総合センター研究部門における研究課題の 体系化」
登壇者
  • 武澤 友広 (障害者職業総合センター)

障害者職業総合センター研究部門は調査研究の成果を調査研究報告書及び資料シリーズ等にまとめ公開している。これらの研究成果を体系化することは、これから"検討すべき研究課題"を明らかにする上でも有効であろう。本発表では、障害者職業総合センター研究部門において平成28年度までに作成された調査研究報告書及び資料シリーズ235本を対象とし、各報告書から"研究課題"を抽出した後、研究課題の類似性に基づきグループ化したものを図示した結果について報告する。

テーマ
「大学における障害学生へのキャリア支援: 精神障害を中心に」
登壇者
  • 清野 絵

近年、障害者差別解消法等を背景に、大学等の高等教育機関に在籍する障害学生が増加している。しかし、高等教育機関における障害学生の就職率は49.9%であり、障害のない学生の就職率60.9%より低いという課題がある。

したがって、今後、障害学生へのキャリア支援を充実させていくことが期待されている。また障害学生へのキャリア支援を効果的に進めるには、学内におけるキャリア支援センター、障害学生支援室、学生相談室等の連携と、学外の就労支援機関等との連携が重要である。

以上の背景から、本研究では、大学における障害学生へのキャリア支援について、文献研究によりその動向を明らかにし、今後の研究に資することを目的とする。

テーマ
「精神科診療所におけるジョブコーチ支援のニーズと稼働」
登壇者
  • 千田 若菜 (医療法人社団ながやまメンタルクリニック)

当院では、昨年度より訪問型職場適応援助者を配置し、地域の就労支援機関等関係機関と連携した支援を実施している。本発表では、1年間の実績について振り返り、以下について検討する。

・外来の精神科診療所ではどのようなジョブコーチ支援の ニーズが拾われるのか

・地域のどのような機関とどのような連携を行うか

・稼働につながるケース、つながらないケース

・ジョブコーチ支援の治療的な寄与

以上を通じて、精神科医療機関におけるジョブコーチ支援の一つの在り方について考察する。

テーマ
「障害学生就職支援担当者の役割に対する 職業リハビリテーション機関職員の期待【第一報】  School-to-work transition coordinators’ role  expected by vocational rehabilitation service  providers: A preliminary investigation」
登壇者
  • 後藤 由紀子

大学に在籍する障害学生数はこの10年間に5倍以上に急増しており、さらに主な障害種別が身体障害から精神障害・発達障害へと移ってきていることから、近年、大学における障害学生の就職支援現場では支援方法の転換が迫られている。

その中で注目されているのが学外の専門機関との連携である。大学-学外機関間の連携を促進するためには、相互の役割期待の現状を把握し、担当者に求められる知識・スキルや役割分担の在り方について検討する必要がある。

本研究では、大学における障害学生就職支援の主要な連携先として想定される職業リビリテーション機関職員等を対象とした役割意識および役割期待に関する調査結果の概観を報告し,両機関の連携についての展望を考察する。

テーマ
「就労継続支援B型事業所の職員の意識調査」
登壇者
  • 金弦 敬子 (学校法人仁多学園 島根リハビリテーション 学院)

就労継続支援B型事業所の就労について,低賃金や就労事業所の背景,援助者の認識等について様々な研究がなされているが,その対策についての論文は見当たらない.そこで今回,Z事業所の職員はどのような認識で障害者就労支援に携わっているのかを調査し,工賃向上に向けての問題点を明らかにしたいと考えた.

Z事業所の職員に対し,就労意識アンケートを実施した結果,利用者の就労に向けた支援の必要性や工賃向上に高い意識を持ち,疾患等に関する研修を実施しているものの,実際の就労へは結びつかない現状であった.今後,研修の内容を法制度・マネジメント・就業支援の実践というように具体化する必要性があることが明らかになった.

テーマ
「職業リハビリテーションと作業療法士  ー資格制定後初期の研究にみる専門性ーー」
登壇者
  • 中村 俊彦 (常葉大学保健医療学部作業療法学科)

職業リハビリテーションにおける医療、福祉の枠を超えた他職種連携は質の高いサービスを展開する上で重要である。他職種連携の中で、作業療法士はリハビリテーション医療の立場から専門的な知識と技術の提供が期待されている。

本研究では、文献研究を通じて、作業療法士が1965(昭和40)年の国家資格が制定された後の萌芽期とも言える数年間で職業リハビリテーションに対してどのような関わりをしていたかを整理した。その結果、資格制定後しばらくは労働災害、障害児療育、結核など、当時の社会背景を反映した幅広い障害、疾患の職業リハビリテーションに取り組んでいたことが具体的な事例研究を通じて確認することができた。

テーマ
「働く知的障害者に対する職場同僚の援助行動を引き出す 支援者の活動 -因子分析による検討-」
登壇者
  • 若林 功 (東京通信大学)

障害者の職場定着のために、障害者が就職した企業内における同僚・上司(以下、同僚等)から援助を得られることは重要であり、ジョブコーチ等支援者は同僚等から働く障害者に援助が提供されるように、同僚等に働きかけたり(例:当該障害者と関わるように依頼する)、障害者本人に支援を行い(例:同僚等に挨拶をする練習を行う)、職場内のサポート体制を構築することを目指している。

このような支援者の同僚等からの障害者への援助を引き出す活動の内容について、量的データにより分析された先行研究は少ない。そこで、本発表では知的障害者に限定し、職場同僚の援助行動を引き出す支援者の活動を因子分析によって検討する。

テーマ
「障害者雇用制度の改正等に伴う企業意識・行動に関する 検討」
登壇者
  • 宮澤 史穂 (障害者職業総合センター)

平成28年度から平成30年度にかけて、差別禁止及び合理的配慮提供義務規定の制定、法定雇用率の見直し等、障害者雇用に関する制度改正が相次いで実施されてきた。これらの制度改正に対し、企業は対応を迫られることとなるが、実際にどのような意識を持ち、どのような対策を講じているのだろうか。本発表では、これらの制度改正についての認知度、対応状況、社員への周知状況等について、企業の人事担当者を対象として実施したアンケート調査の結果について報告する。

テーマ
「発達障害者の職場定着の課題と支援に関する研究  -特例子会社における合理的配慮の実践から-」
登壇者
  • 滝島 真優 (目白大学)

我が国における障害者雇用率制度では、特に成人期以降の精神疾患合併リスクが高く、障害特性からみて、変化それ自体に順応しがたいという側面がある発達障害者においては、雇用機会にアクセスすることや就労後の定着の困難さが推測される。そして現在、障害者差別解消法の施行を受け、企業が障害者雇用を促進する上で合理的配慮事項の明確化がより一層望まれている状況である。

以上のことから、個別に応じた柔軟な働き方や職業適性を踏まえたジョブマッチングを図ることを通じた職場定着を実現するため、発達障害者の就労上の合理的配慮の内容を明らかにすることを目的に発達障害者を5年以上雇用する企業の障害者雇用担当者を対象に面接調査を実施した。

その結果、加齢による作業パフォーマンスの低下への対応や障害特性に配慮したキャリアアップへの対応、通勤時のトラブルへの対処や社内行事への参加等も含めた余暇活動等、生活面における対応等ソフトスキルに係る合理的配慮事項の検討に課題があることが明らかになった。

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日本職業リハビリテーション学会第46回北海道大会事務局

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